民謡①:三味線の調弦

昨夜も今夜も民謡のお稽古だったため、こんな夜分のアップになってしまいました。

さて、楽器を演奏するには楽器のチューニングは必要不可欠な事だと思うのですが、三味線は演奏するキーの高さに応じて、弦を緩めたり、きつく絞めたりするだけで、音程を調節する楽器です。しかしギターのようにペグが金属で出来ていない(棒が穴に差し込んであり、そこに糸をまくだけの構造)ので、ちょっとした衝撃で、絞めたはずの弦が演奏中に、キュルキュル~[E:sweat01]と緩んだり、切れたりすることはショッチュウです。
ですから、そんな三味線数十台による合奏!となると、チューニングも一苦労!合わせた瞬間から、もう誰かの音が狂い始める…といった調子です。
また、三味線の調弦は主に調子笛をプ~ッと吹き、耳でチューニングするのが一般的!なので、調弦をする人の実力で調弦は決まってしまうと言っても過言ではありません。人によっては途中で音が下がる事を初めから計算に入れて、高めの音で合わせる人もいるのです。またすべてのメンバーが調弦が出来るとは限りません!我が会も年配の方が多いこともあり、調弦なんて!っと…端から諦めている人も多いので、したがって調弦は先生や許された人だけの特権となるわけです。私も昨年名取を取得したことや先生から耳をかわれて昨年師範を取得した男性と共に、入会して6年もかかって、やっとみんなの三味線を調弦することが許されました。でもこれが結構重労働[E:sweat02]握力の弱い私が必死にみなさんの三味線の調弦をすると、1日で左の手のひらはマメだらけになります!

さて、今度の日曜日、6月22日にやってくる定期発表会『民謡と舞踊の祭典』。この中でも数曲合奏をしますが、一番の難題は三味線数十台に、長女のピアノやウクレレやジャンベの伴奏も加える合奏メドレーです!耳で調弦するなら、洋楽に親しんでいる方なら、この場合、ピアノの絶対音に合わせてチューニングするのが一番の方法で、洋楽器と合奏するには、如何にチューニングが大切なのか、ご理解していただけると思います!それが、ここ発表会1週間前に来て…思いがけず苦戦を強いられることになりました。

先生から一緒に、調弦の命(メイ)をいただいた師範の男性から「1本を調子笛で合わせたら、もう他の三味線はそれに合わせないとダメ!」などと理解を超越した発言をされたので、先日つい「ピアノと合奏するのですから、すべての三味線をピアノに合わせて調弦するか、1本ずつ調子笛を吹き、厳密に調弦しないと、ピアノと合奏する意味がありません!」と反論しました。
そしたら昨夜そのお返しがやってきました!「そんなシビヤにチューニングしたいのなら、私はこのメドレーのチューニングはしません!メンバー全員のチューニングは(私)にやってもらってください!」と彼が先生に進言したとか…。もう二の句も告げることが出来ないほど、私が落胆したことは言うまでもありません。

先生からの用命で、皆さんと格好いい演奏がしたい!という一心で、アレンジした合奏メドレー。私一人でそんなに簡単にアレンジできたはずもなく、長女や先生と共に本当に工夫して、苦労して作り上げた作品です。そうした経緯を全く推し量ることもなく、メドレーなんか演奏したくないと半年も会を休んで抗議し、その上、師範として戻ってきたかと思えば、そんな発言をした彼の態度が残念で仕方がないのです。私は残念ながら、人の上に君臨することも扇動することも不向きな人間です。人の考え方を矯正するつもりも更々ありません。来週の演奏が滞りなく終了できること、そしていつか共に同じ道を歩むもの同士、切磋琢磨しながら、より高いところへ一緒に上り詰められますことを切に祈りながら。本当に世の中はいろんな事が起きるものですね!nokoyokoi