ありがとうと伝えたくて②

2月の終わり頃になると、突然彼女から1本の電話が入りました。
『人手が足りないので
誰か時々お手伝いに来れるようなお友達はいない?』
そんな内容のお電話でした。

ところで…お店にお出しするものは、全て女将さん(ここからはこう呼ばせて頂きます)の手作りでした[E:heart04]
「おばんざい」…というと、京都の家庭料理…というイメージを持たれる方も多いでしょうが、基本はお昼でも、前菜、(お吸い物、土瓶蒸し)、(お寿司)、(鍋)、お造り、焼き物、煮物、揚げ物、ご飯、お味噌汁、香の物、デザートまで…旬の食材を美味しい時期に味わっていただけるよう、料金に応じた、お任せ創作料理のフルコースになっていました。

またお任せと言っても、予め、会の趣旨をお伺いして、慶事、仏事に合わせたお料理や器を用意し、敬老、お誕生日、還暦、七五三、顔合わせ…等、目出度い集まりには、女将さん特製の鯛の塩釜をお出ししていました(これが美味しいのなんのって。うちの子供たちも大好きでした)[E:heart04]

しかし、決して板前さんなどは雇わず、手抜きすることのないダシ作りから味付け、食材の買い出しや下処理まで、女将さん一人でこなされていました。

そんな女将さんの脇を固めていたのは、20代から60代の全て女性達。
本業や主婦の仕事の合間を縫って代わる代わるやってきては、女将さんのヘルプとして、調理補助や盛り付け、客応対、後片付けを担当していました。

初めは、女将さんの美味しいご飯を少しでも勉強できたら、という思いから…だったと思います。私も間もなく…お友達と一緒にそんな女将さんのお手伝いをすることになったのでした。

nokoyokoi

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